理美容サロン業界も2極分化
Posted on | 11月 9, 2016 | No Comments
安倍政権がすすめるアベノミクスの負の結果として、二極分化がある。富裕層はより富み、貧しい人は増え、その差は格段に広がった。これまで経済の成長を支えてきた中間層は大幅に減ってしまった。
その一方で、日本は高齢化社会に突入した。65歳以上のシニア人口は3400万人を数え、全人口の27%を超えた。少子化の歯止めはかからず、シニア人口の比率は今後もますます高まる。
シニア層の多くは年金暮らしで、余裕がない。少ない年金を補うために、仕事をしている人もいる。彼らはすでに老境の域だが、さらに老後に備えて財布の紐は固い。理美容への支出も極力抑える傾向があり、その結果、シニア層の多くが、カットオンリーの業態店の顧客になっている。業態店の今日の伸長は、シニア層に支えられている面もある、といえそうだ。
人口の減少、少子高齢化が進めば、一般の理美容店は間違いなく減る。とくに、従業員10人以下の小規模サロンは、生き残るが難しい。
理由は、この規模の店では従業員を集めるのが困難になっていることがあげられる。著名美容師なら別だが、そうでない一般サロンが、募集をかけても簡単にスタッフは集まらない。
また、この規模では労災保険や雇用保険、健康保険、厚生年金などの社会保険に対する金額的な負担、事務的な負担が大きい。
いま社会保険未加入の事業所は、新卒者からは就職対象外になってしまう。
営業面でも、この規模のサロンは厳しい。
集客のための広告宣伝も難しいし、万が一従業員が止めた場合のダメージも大きい。
100人以上の従業員を擁する法人サロンなら、たとえ1人の従業員が辞めても、たいした影響はないが、10人以下のサロンでは、他の従業員に与える影響、経営に与える影響は大きい。
この規模の理美容店が生き残るのは難しい。しかし、生き残る方策がないわけではない。その方策は次回、紹介したい。
【小山秀男氏のホームページ】
http://www.koyama-lab.com/
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