「組織強化を」 吉井眞人 全日本美容業生活衛生同業組合連合会 理事長(*)
Posted on | 1月 1, 2016 | No Comments
新年明けましておめでとうございます。全国の美容業に携わる皆様におかれましては、それぞれに良い年を迎えられたことと思っております。
我が国はバブル経済の終焉から低成長経済の時代となり、この間、発展途上国の経済成長、日本企業の競争力の低下と生産拠点の海外進出、情報通信技術の普及と発展、少子高齢化の進行など美容業を取り巻く環境は大きく変わってまいりました。
消費者の美容に対する関心は高いものがありますが、他産業からの参入や、新しい美容関連ビジネスにはこれまでのサロンとは異なる新規の美容関連業態が参入し、美容家電や美容器具・化粧品などの普及で美容のセルフ化も進んでおり競争の激化が進展しております。
また、平成10年からの美容師養成施設の2年制スタートと美容師資格の大臣免許制への改正等の新しい養成制度で育成された若者たちは、以前の徒弟制度的な意識とは異なり、サロン内における教育、管理体制、社会保険や処遇の在り方も従来と異なる形態が求められております。
さらに、平成20年をピークに人口の減少が始まり、人口や経済の大都市圏集中や地方の過疎化と経済の疲弊も目立つようになりました。まさに大きな変革の時を迎えております。
こうした中で、毎年多くの若い人達が夢と希望を持って美容師を目指し国家試験に合格しているにもかかわらず、資格を取得しても美容業に就職しない、また、美容業に従事しても短期間で他産業に流出して行くという現状があります。
美容業が国民生活に欠くことのできない重要な産業として発展するためには、優秀な人材の確保、育成は最も重要なことであり、経営者、従業員ともに業に従事する者にとって遣り甲斐があり、また、処遇面でも魅力ある職業としなければなりません。
様々な課題はあるものの、美容業は将来に向かって大きく発展する可能性を持っており、当連合会は本年、我々自身の組織の強化を最重要課題として取り組むとともに美容師養成施設、メーカー、ディーラー、ジャーナルの皆様方、美容業に関連するすべての方々とさらに連繋を密にし、諸施策を推進してまいる所存です。
結びに、本年が皆様にとりまして実り多い年となりますよう祈念して新年のご挨拶といたします。
*「吉井眞人理事長の」の「吉」は正式には「士」ではなく、「土」ですが、ブラウザの関係で簡便表記になっています
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