「夢やワクワク」を届けるのが美容師!
Posted on | 12月 31, 2019 | No Comments
連載3人目は、旅する美容師の村山武(むらやま たける)さんです。
インタビューのアポイントをとらせていただいたときも、渡仏直前で、次から次へと来られるご予約のお客様の間を縫って、貴重なお時間いただいてきました。
野球一筋で、ほんとに不器用でした
和田 美容師になられたきっかけを教えていただけますか?
村山 母が美容師だったんです。母は、僕が中3のときに亡くなりました。おばさんから、「お母さんは、武に美容師になってほしいと言ってたよ」と後から聞かされ、高校を卒業後、大阪の関西美容専門学校へ行きました。母を世界で一番好きだった僕にとって、美容師になること以外、考えられなかったです。
とはいえ、高校生のときは、野球一筋でしたので、美容学校に入学したとき、ほんとに不器用でした。
専門学校を卒業して就職するとき、「やるからには一流になりたい。日本一といわれる表参道で働いて、自分を高めたい」と考え、大阪から東京に来ました。母の「美容師になってほしい」という遺志を継ごうと考え、まず一人前になろうとおもってがむしゃらに前に進んでいました。少しでも技術を身に着けて上手くなることを、少しでもお客様から支持をいただくことだけを必死で考えていました。
マンツーマンでお客様を大切にしたい
和田 フリーランスになる選択肢はいつごろ出てきたのですか?
村山 最初の勤め先は、有名人もお客様でたくさん来てくださる人気店で、かつ、厳しい環境だったので、今の僕につながる美容人生の土台を築かせてもらったところでした。同期も大勢いたなかで、一番にデビューしましたが、欲がでて、もっと技術力をあげたい、プラス収入もあげたいと考え、新しい技術を学ぶために店を移ります。
ちょうど、そんなとき、「実は、店を閉めようと思う。武が帰ってくるならお母さんの店は残そうと思うのだが」と、母の美容室を存続させるために経営を引き受けていた父から相談がありました。
父は、僕に「帰ってこい」とは言わずに、「どうしたい?」と聞いてくれたのです。
僕は、まだスタイリストになって1年しかたっていなかったので、自分の技術はまだ中途半端だとわかっていました。いまここでは帰れないと思い、表参道で勤め続ける道を選択しました。
母の遺志を継いで美容師になった僕です。本当は、母の「C-ZONE」の看板をどうしても残したかった。
でも、東京に残る決断をし、母の美容室をつぶしてしまったからには、ただ美容師をずっと続けるだけでなく、もっと技術を学び身に着け、本物の一人前の美容師になって、自分がしっかり美容業界に貢献して足跡をのこしていきたいとも考えるようになりました。
それからです、僕にできることは何かを考えるようになりました。
そうやって、だんだんと気づいたのが、マンツーマンでお客様を大切にするってことと、独立の新しいカタチ、この2つを両立させる方法です。
マンツーマンについては、売上をあげればあげるほど、分業体制になるなかで、「お客様を本当に大切にしているのかな」と違和感があったところから、はじまります。
自分の人生を、自分で舵取りしたい
また、母の美容室を継がなかったけど、「C-ZONE」の名前を残したかったので、新しく店をつくって一国一城の主になることを、考える時期もありました。
でも、美容業界ではよく知られていることですが、「開店後3年以内に90%が閉店する」といわれています。
そんななかで、店を出すだけでいいのか、何のために美容のプロとして働いているのか、というのも考えるようになり、そこからフリーランスの可能性も考えるようになりました。
ちょうどその頃、サロンに外国人のお客様が増えてきた頃でした。欧米からのお客様も満足いただけるようなカラーリングの勉強をもっと深めたいと考えてはじめていました。
ロサンゼルスに技術と薬剤の勉強に行きたいなあとか、「海外に行きたい」と思い始めたのは、その頃からですね。
とはいえ、サロンワークがある。
でも、仕事があるから、海外へ勉強しに自由に行けないとは、言いたくない。
自分の人生を、自分で舵取りしたい、そうも思うようになりました。
フリーランス美容師になってから海外に行き始めて、一番行きたかったロサンゼルスのハリウッドに行ったときが、最も刺激的で勉強になりました。僕が行かせてもらったのは、ロサンゼルスの、セレブもたくさん来る「ビバリーヒルズ」です。技術や、カラー剤の使い方も学ぶことができ、その技術をつかって、日本に帰国後、お客様にその学んだことを還元できると喜ばれました。
すると、よし、もっと学びたいという循環になりましたね。
次号につづく。
<お話しをしてくださった方>
C-ZONE × FBeauty
村山 武
(むらやま たける)さん
東京都渋谷区神宮前6-9-4
和秀ビル地下1階
LINE ID:takeru6416
Instagram:@takeru6416
web :http://takeru6416.mystrikingly.com
インタビュアー 和田美香
フリーランス美容師のためのシェアリングサロンfrange運営
美容のおかげで、人生を肯定でき、幸せは身近なところになると気づかせてもらった経験から、美容業応援の仕事に。美容室の広告・集客コンサルタント、美容室開業プロデューサーをするなかで、お客様のためだけに時間を使いたい美容師の環境づくりを支援することが、いまの時代にあった美容業応援の道と考え、frangeを開設。
http://frange.link/
http://salonopen.com/
タグ: フリーランス美容師, 人生100年時代の美容キャリア, 村山武